平成13年2月定例会 一般質問 自由民主党 佐藤真治

1 新おかやま国際化推進プランについて
(1) 共生社会創造国際化プログラム
 ア 私費留学生についての認識          (企振)[ 知  事 ]
 イ 国際ボランティア人材バンク         (企振)[ 知  事 ]
 ウ アルバイト情報の提供            (企振)[ 知  事 ]
 エ 教育現場での活用              (教育)[ 教 育 長 ]
 オ 世界に向けての発信             (企振)[ 知  事 ]
(2)国際貢献先進県おかやまプログラム
 ア NGOネットワークの恩恵          (企振)[ 知  事 ]
 イ 子ども同士の交流              (企振)[ 知  事 ]
 ウ 岡山ユネスコ協会の環境サポートセンター構想
                     教育協力(生環)[ 知  事 ]
(3)ハートフルおかやま国際化プログラム
 ア 国際観光戦略                (商労)[ 知  事 ]
 イ マレーシア周辺国への対応          (商労)[ 知  事 ]
2 岡南飛行場について
(1)供用開始時期                (土木)[ 土木部長 ]
(2)利用促進                  (土木)[ 知  事 ]
(3)ポートセールス               (土木)[ 土木部長 ]
(4)航空交通の安全               (土木)[ 土木部]
(5)小型航空機の夜間駐機受入          (土木)[ 土木部長 ]
3 ドメスティック・バイオレンスについて
(1)被害女性に対する支援の現状等        (保福)[保健福祉部長]
(2)長期にわたるフォロー            (保福)[保健福祉部長]
(3)児童虐待との関係              (保福)[保健福祉部長]
(4)犯罪被害者対策               (警察)[ 警察本部長 ]
(5)教育面での対応               (教育)[ 教 育長 ]
(6)男性への啓発等           保福協力(生環)[生活環境部長]
4 社会貢献活動の支援に関する条例案について
                         (生環)[ 知  事 ]
(1) 条例制定の意義
(2) 「社会貢献活動」とした理由
(3) 新しい補助金制度の導入
5 「新たな岡山県看護職員需給見通し」について
                         (保福)[保健福祉部長]
(1)  院内保育所
 ア 設置補助
 イ 24時間保育
(2) 職場環境の整備
(3) 職場復帰のための研修
(4) 福祉施設等の看護職員研修
(5) 就業調査等




(佐藤)  ここが正念場の自由民主党の佐藤真治でございます。雪の中,傍聴にたくさんお越しいただきまして,本当にありがとうございます。
 それでは,早速通告に従いまして,一気に質問をさせていただきます。
 現在取りまとめておられる「新おかやま国際化推進プラン(仮称)」の素案を拝読いたしますと,平成8年に策定された旧プランの計画期間である今年度までのわずか5年間に,情報技術の著しい進歩,輸送手段の発達等,世界との時間・距離が急速に短縮し,人,物,情報・サービスのボーダーレスな移動がますます活発になり,国際化への適切な対応が極めて重要になったことが本当によくわかります。
 そのうち,国際経済拠点岡山を目指すために既にお示しいただいている「どっとcom・おかやま」を基本コンセプトとするアクションプログラムが具体的に推進されることを切に望みたいところでありますが,今回は,素案のいうところの「共生社会創造国際化プログラム」と「国際貢献先進県・おかやまプログラム」と「ハートフルおかやま国際化プログラム」についてお伺いいたします。
 まず,「共生社会創造国際化プログラム」に関して,地域の日本人と外国人が快適に生活するためには,多様性を認め合うとともに,言語,生活習慣などから生じる障害を取り除くことが必要ですが,そのためにも,外国人への生活関連情報等の提供,地域交流の促進,人権意識の啓発と相互理解の促進に努める共生社会の実現が望まれます。
 とりわけ,留学生や就学生は,いずれ岡山と母国の友好関係を築く上で,そのかけ橋として将来重要な役割を担っていただくことが期待されます。現在岡山県への留学生は約800人,1990年の約300人から比べると右肩上がりで急増しています。しかしながら,私は,岡山県に来た留学生は必ず岡山が嫌いになって母国に帰っていくのだという話を聞いたことがあります。母国に帰れば彼らは彼らの岡山を語るでしょう。言ってみれば民間の外交官である彼らに,一人でも多く岡山ファンになってもらうこと,懐かしい幸せな思い出をつくってもらうことは極めて重要だと思います。
 そこで,知事にお尋ねします。
 岡山県に暮らす留学生,とりわけ私費留学生の皆さんに対してどういう認識をお持ちでしょうか。知事の提言される国際ボランティア人材バンクは留学生にも資するものでしょうか。また,具体的な支援策があればお知らせください。
 また,多くの留学生が決して楽ではない経済状況にある中で,彼らにとって重要なのはビザに関係なく勤務できるいわゆるアルバイトの情報です。インターネットを含めてそういった情報を提供できないでしょうか。また,留学生を,総合的な学習の時間を初めとする教育現場に人材として活用するすべはないか,教育長にお尋ねいたします。
 加えて,例えば留学生全国大会を岡山で開催するなど,全国に,世界に向けて岡山を発信することは考えられないでしょうか。
 次に,「国際貢献先進県・おかやまプログラム」に関して,まずもってさきのインド西部大地震のAMDAの緊急救援に際して,私も救援物資の積み込み作業に参加させていただきましたが,その際に岡山県の執行部の有志の皆様方から段ボール箱何箱分もの救援物資が届きました。私,大変に感動いたしました。せっかくですので御報告させていただきます。
 そのAMDAを初め多くの国際ボランティアがあり,その御支援をと一昨年の12月議会でお願いさせていただきましたが,国際貢献のNGOを後方支援しながら,逆に県の方がそのNGOのネットワークの恩恵を受けることはあるのでしょうか。
 関連して,国際貢献のための人材育成,ネットワーク確立のために日本人と外国人の子供同士の交流が極めて重要だと思いますが,どのようにお考えでしょうか。
 加えて,昨年11月,ユネスコ(国連教育科学文化機関)の「環境教育に関する国際専門家会議」がスペインのサンティアゴ・デ・コンポステーラで開かれましたが,この会議への日本からの招聘・参加は岡山ユネスコ協会のみでありました。この際に提示された環境サポートセンター構想,これは環境問題に関する情報サービス活動拠点として岡山ユネスコ協会が日本ユネスコ協会やユネスコ本部に提案しているものですが,この構想が多くの賛同を得たものと伺っています。
 インターネットで世界各地の環境情報を収集,交換し,専門家が解析した解決に役立つ情報を全世界に発信する。また,人材育成のための環境教育プログラムや世界各地の実情に合わせた環境改善プログラムの開発もあわせて行うという,環境問題で世界貢献するというスケールの大きな話です。恐らく,産・官・学共同の研究開発や産業集積も望めると思います。まさに,風光明媚な瀬戸内海を初め豊かな自然がある晴れの国であり,しかも岡山情報ハイウェイがあり,さらには,児島湖の問題も抱えている我が岡山県にふさわしいような構想だと思いますが,どのようにお感じでしょうか。
 この項最後に,「ハートフルおかやま国際化プログラム」に関して,外国人観光客をいかに誘致し,いかに心温かいおもてなしをさせていただくかは極めて重要であると思います。しかし,観光客と一口に言っても,来日の目的は,例えば教育や福祉や文化,スポーツ,NGOなどの国際交流であったり,あるいは観光も広域に他県にわたるケースもあろうと思います。ユニバーサル・スタジオ・ジャパンの開園とも相まって,売り込みには明確な国際観光戦略が必要であると考えますが,どのようにお考えでしょう。
 特に期待されるマレーシア航路の開設以後は,当然シンガポール,インドネシア,タイ,ベトナムなどへの相互の旅行機会が増すと思いますが,そういった周辺国への対応についてあわせてお伺いいたします。
 次に,岡南飛行場についてお伺いいたします。
 昭和63年3月の岡山空港開港に伴い,小型機専用の飛行場として生まれ変わった岡南飛行場は,管制圏または情報圏を持たない飛行場での対空通信情報提供や気象情報提供などユニークな運営が全国から注目されています。平成4年に国から小型航空機の拠点飛行場──ゼネラルアビエーション空港の第1号として認定され,現在はエプロンの拡張整備が進んでいるわけですが,この開発事業は地元・地域の経済,産業,文化と我が国の航空振興に役立つ機能整備が図られています。
 とりわけ,地元岡山市民にとってはある種のせつなさや懐かしさが込み上げてくるのがこの飛行場です。また,現在は,県警や消防のヘリコプターの発進基地になっている頼りになる飛行場です。今回は,時代の荒波を生き残り,さらにハード面が整備されつつあるこの愛すべき岡南飛行場の有効活用といった観点から,知事及び土木部長に質問をさせていただきます。
 まず,岡南飛行場拡張整備事業第1期の供用開始はおおむねいつごろからと認識させていただいたらよろしいのでしょうか。
 また,今後の岡南飛行場の利用促進を図るため,地元住民,航空関係者,行政関係者等いろいろな方々の意見を聞く場を設けてはいかがでしょうか。
 次に,エプロン拡張に伴ういわゆる利用促進のポートセールスですが,とりわけ,例えば八尾空港からの行き来を考えると,高松空港,広島西飛行場との関連が問題になりますが,岡南飛行場の整備,サービス強化を含め,どのような対策をお持ちでしょうか。
 さらに,管制塔からの対空通信情報提供は岡南飛行場の特徴ではありますが,一方,不規則飛行の指導など,航空交通の安全はどのように確保されるのでしょうか,対策をお知らせください。
 この項最後に,夜間照明設備のない岡南飛行場は夜間駐機受け入れができません。冬場なら午後4時30分,夏場でも午後6時30分が限界とされています。そこで,岡山空港で小型航空機の夜間駐機受け入れが行えないでしょうか。
 さて,ただいまより,自分のことは思い切り棚に上げまして質問をさせていただきます。
 参議院超党派議員が中心となっていわゆるドメスチック・バイオレンス(DV)防止法案をまとめて今国会への提出を目指しています。DVは,親密な関係にある,あるいはあった男性からの女性に対する暴力をいい,ここでいう暴力は,女性の人格の尊厳を身体的,性的,心理的,社会的隔離で侵すもので,具体的には,身体的,生理的後遺症,精神的後遺症,経済的打撃を与えるものだそうです。要するに,女性の意に反して身体や心を傷つける行為はすべてDVの範疇に入るわけです。
 今回具体的に調べさせていただくうちに,私は,いわゆるシェルターに一時保護されるような場合は,同時に生活指導,生活支援が極めて重要であると感じました。DVの原因の理由の一つとして,女性の経済的な自立が困難だから暴力を受けても逃げられないことが挙げられています。根本的には,性別による役割の強要など,男女の社会的な不平等を解消する真の男女共同参画社会の実現が必要ですが,当座,いかに経済的な自立を支援するかが重要になります。そのために,一時保護施設は,ただかくまわれるだけではなく,同時に次の一歩を踏み出す生活指導施設,生活支援施設でないといけないと思います。
 そこで,保健福祉部長にお伺いいたします。
 県の女性相談所及び一時保護所は,売春防止法に基づく保護を要する女性だけではなく,家庭生活の破綻や生活の困窮等,社会生活を営む上で困難な問題を抱え,現に保護,援助を必要とする状態にあると認められる女性に対しても広く相談に応じ,必要な一時保護をしておられます。しかしながら,DVによる女性の被害がクローズアップされている昨今,女性相談所においては,DV防止法の成立・施行を待つまでもなく,喫緊の課題としてより積極的に対応することが求められています。
 そこで,まず女性相談所のDV被害女性に対する公営住宅への優先入居や就業等に対する支援の現状,さらに,今後の女性相談所の体制整備の方向についてお伺いいたします。
 また,女性相談所の一時保護所に入所した被害女性は,安全な場所への保護を求めて家庭から逃げてきた場合が多く,入所後も,逃げた自分を追って加害男性が押しかけてくる不安に常におびえており,被害女性の自立意欲に大きな悪影響を及ぼしています。被害女性が少しでも早く自立できるために被害者の長期にわたるフォローをいかに行うか,とりわけ被害者の新居や職場を加害者に知られない,来させない方策があるでしょうか。
 加えて,DVは,DV被害女性のみならず,同時に,児童虐待という子供たちへの暴力になってあらわれていることも指摘されていますが,2つの問題の関係をどのように認識され,どのように対策がなされているのでしょうか。
 さらに,県警本部長にお伺いいたします。
 岡山県警の犯罪被害者対策室は,臨床心理士に委託したカウンセリングアドバイザー制度を平成9年7月より始められており,また,24時間態勢の犯罪被害者のための一時的保護施設借り上げを計画されていますが,この制度は,女性相談所とどのような形で連携がなされ,また女性の自立,社会復帰のためにどんな支援がなされているのでしょうか。
 また,バーチャル体験しかできない子供たちに,DVのみならず,暴力そのものがいけないのだと実感させる教育がどのようになされているのか,教育長にお伺いします。
 とりわけ,マスコミに対して有害な性や暴力表現にある種の規制をお願いすることはできないでしょうか。
 この項最後に,DVの問題は,結局は男性が変わる以外に解決方法がないと指摘されていますが,私自身への適切な教育の必要性を含めて,男性への啓発,カウンセリング等は今後どのように行われていくのでしょうか,生活環境部長にお伺いいたします。
 次に,全国的にも先進的な特定非営利活動法人に係る県税の特例に関する条例案が示されたことは大歓迎であり,NPO法人の活動の大きな励みになることを心から感謝申し上げます。これと同時に提案された岡山県社会貢献活動の支援に関する条例案について,知事にお伺いいたします。
 平成10年に,多くの困難を超えて議員立法で制定された特定非営利活動促進法を受けて,各県で特定非営利活動促進法施行条例及び特定非営利活動促進法施行細則が制定されました。それに加えて,さらなる特定非営利活動法人支援のために今回県税の特例に関する条例案を示してくださっており,一方,この4月より岡山市は,特定非営利活動法人のみならず,それをさらに拡大して,非営利公益活動団体から申請があり,審査会の公益性などの審査を経れば特定非営利公益事業に指定し,さまざまな支援を行うといった岡山市協働のまちづくり条例を施行します。
 このたびの岡山県社会貢献活動の支援に関する条例案は,昨年10月に示された「岡山県ボランティア・NPO活動の促進に関する基本指針」における「支援条例の制定について検討する」との方針を具体化したものですが,県条例制定の意義についてお尋ねします。
 次に,国の特定非営利活動促進法が論議の末に,「『特定非営利活動』とは,別表に掲げる活動に該当する活動であって,不特定かつ多数のものの利益の増進に寄与することを目的とするものをいう。」と,極めて抽象的に定めたのにかえて,また「ボランティア・NPO活動」ともせず,今回の条例案では「社会貢献活動」とされました。社会貢献という言葉は,現在,ボランティアよりもむしろある種の見返りをも期待する企業メセナに対して使われる言葉で,条例では,特定非営利活動法人以外の活動に枠を広げながらも,かえって範囲を狭めた印象を与えかねないと思います。ボランティアの自発性,無償性の原則からいっても,「自発性及び自立性を損なわない」と条文中でうたおうとも,「社会貢献」という言葉自体が一定の価値を含んでいるのですから,言葉の矛盾だと私は思います。
 そもそも,社会貢献という価値的な評価をだれが行うのか。この条例の趣旨を生かすならば,同時に完全に民間の社会貢献活動評価委員会のような組織が必要なのではないかと考えます。条例案に「社会貢献活動」という言葉を用いた点についての知事のお考えをお知らせください。
 関連して,三重県では,県内で地域づくりにかかわるNPOを支援する新しい補助金制度を創設しましたが,これは宝くじの売り上げに応じて定められた補助金を県内9圏域それぞれの中でNPOや行政のつくった組織が補助率や限度額をおのおの決められるといったもので,各圏域のビジョンづくり,その推進に資するものです。こういった仕組みを本県でも導入することはできないでしょうか。
 最後に,このたび示された「新たな岡山県看護職員需給見通し」について伺います。
 看護婦等の人材確保の促進に関する法律は,看護婦等の人材確保,処遇改善を促進するための財政上の措置等を講ずるよう努めることを国及び地方公共団体の責務として定めています。近年,急速な少子・高齢化の進行,高度医療の進展,介護保険制度の実施,安心,信頼できる医療への強い県民ニーズなど,看護職員を取り巻く環境は大きく変化しています。
 そこで,看護職員の計画的,安定的な確保を図るため,平成13年から平成17年までの5年間の需給見通しが今回示されたわけです。その中で,平成13年の約2万3,800人から平成17年には約2万5,500人の看護職員が必要となり,平成17年で約600人の不足が見込まれています。今後,看護職員を安定的に確保するためにどのような対応がなされていくのでしょうか。
 以下,保健福祉部長にお尋ねいたします。
 私は,看護職員の確保のためには,養成力を強化することに加えて,現在働かれている優秀な技能を持った看護職員の方々にいかに現場に定着していただくか,換言すれば,いかに離職を防ぐかが極めて重要であると思います。さらに,看護婦等の資格を持ちながら就業していない方々が県内には相当数いらっしゃると言われています。そうした未就業の看護職員の掘り起こしも重要であると思います。
 そこで,今回は,看護職員の方々の離職防止と再就職の促進というテーマに絞って質問させていただきます。
 まず第1に,離職防止のためには職場環境の整備が必要です。とりわけ,看護職員の多くが女性であるため,妊娠,出産,育児,あるいは介護といったことが離職の原因になることが考えられます。そのためには,病院内に保育施設を設置し,充実させることが重要です。現在,院内保育所に対しては運営費の補助がありますが,設置についても何らかの支援があるでしょうか。
 また,やはり夜勤の多い看護職員にとっては24時間保育であることが望ましいのですが,その実態,またそれに対する支援はどうなっているのでしょうか。
 さらに,働きやすい職場環境の整備も大切だと思いますが,どのような支援をなさっているのでしょうか。
 次に,高度医療が進展する中で,一たん離職された方が安心して再就職できることが重要だと思います。そのためにも,職場復帰のための十分な研修が必要なわけですが,ナースセンターの研修設備等の充実も含め,どのような取り組みがなされているのでしょうか。
 また,介護保険制度の実施に伴い,老人保健施設や福祉施設等に勤務する看護職員も増加してきており,そういった職員の研修も大変重要と考えますが,今後どのように行われていくのでしょうか。
 最後に,再就職された後のフォローも極めて重要だと考えますが,就業調査等どのように行っていくのでしょうか。未就業の看護職員の把握とあわせて,その方策をお尋ねいたします。
 大変たくさんの質問になって恐縮ですが,私の質問は以上でございます。どうぞよろしくお願いいたします。


(知事)  自由民主党の佐藤議員の質問にお答え申し上げます。
 「新おかやま国際化推進プラン」についてであります。
 私費留学生についての認識でございますが,私費留学生の多くの方々は,仕送りや,あるいは奨学金だけでは不足する学費とか生活費を補うために,アルバイトをしながら勉学に励んでおられるところでございまして,また帰国されました後におきましては,それぞれの分野の指導者として活躍をされ,そして本県との友好交流のかけ橋としての活躍が期待されていると考えております。
 国際ボランティア人材バンクについてでございますが,外国人が地域社会の一員として安心して生活していくことができるように,ボランティア活動を通じて支援をしていくことを目的としておりまして,留学生に対しましても,日常生活に必要な通訳とか翻訳,岡山の文化や生活習慣等を理解するための文化講座やホームステイなど,さまざまな分野で支援できるようなものにいたしたいと考えております。
 また,県の支援策といたしましては,私費留学生奨学金給付制度のほかに,県立文化施設への入場料の全額免除,さらには岡山県国際交流協会と連携をいたしまして,日本語講座や各種の生活情報の提供や相談等を行っております。
 アルバイト情報の提供についてでございますが,アルバイトを求める企業等は,主として大学,職業安定所,民間情報誌などを通じまして求人を行っているのが実態でございまして,留学生の多くはそれらの情報を活用しておられるとお聞きをしております。これらの情報は,御案内のとおり,その集約とか短期間での更新ということから考えますと,それが必要だということから考えますと,インターネット等を利用したその情報提供を行うということはなかなか難しい問題があると,このように考えております。
 世界に向けての発信についてでございますが,本県では,大使招聘事業等を通じまして岡山県のPRを行っているほか,岡山情報ハイウェイを活用いたしまして,岡山県の魅力やあるいは話題など,各種の情報を4カ国語によりまして国内外に発信をしております。
 また,御提案の留学生全国大会を岡山で開催することにつきましては,岡山情報を全国に発信する一つの方法ではございますけれども,県内の留学生,大学など関係者の方々の意見を聞きながら勉強してまいりたいと考えます。
 NGOネットワークの恩恵についてでございますが,県といたしましても,ネットワークを通じまして,NGOそれぞれの海外支援現場における情報とかノウハウの把握,国際貢献ボランティア現地研修の実施,さらには県とNGOとの連携による国際貢献活動の展開において協力支援をいただけるものと考えております。
 日本人と外国人との子供同士の交流についてでありますが,外国の子供たちと交流をいたしましてお互いの文化とか生活習慣への理解を深めることは,将来,子供たちが国際人として国際貢献を初めさまざまな分野において活躍をしていただく上におきましても,大変意義深いことと考えます。このため,県といたしましても,来年度NGOが開催予定の「国際姉妹校2001こどもサミット」への支援のほか,子供同士の国際交流が活発に展開されますように,姉妹校縁組とか小・中・高校生の海外派遣などにつきまして各種情報の紹介・提供に努力をしてまいりたいと思います。
 環境サポートセンター構想についてお話がございましたが,この構想は,岡山ユネスコ協会が提案をしたものでございまして,世界各地のNGOや市民グループからの環境情報を収集・解析をし,そしてインターネットで地球上の市民を対象に提供することによりまして,環境教育の推進とか環境問題の解決に向けた支援を行うものであると,このように聞いております。聞いておりますという意味は,この構想は,日本ユネスコ国内委員会にお聞きしましても,そちらの方ではまだ聞いてないと,このような状況にあるわけでございまして,今私どもが把握しているところによりますと,この構想は,2002年に南アフリカで開催されます予定の国連の環境会議「リオ+10」に再度提案されるという情報もあるなど,現時点では具体的な内容というものが必ずしも定かになっていないところでございまして,今後,この構想の内容を見きわめる中におきまして,本県といたしましても,環境情報発信拠点としての位置づけが可能なものなのかどうか検討をしてまいりたいと存じます。
 国際観光戦略でございますが,外国人観光客の誘致に当たりましては,本県のすぐれた観光資源や広域的な連携を生かした展開に加え,おもてなしの心のこもった受け入れ態勢の充実強化が不可欠であると考えます。こうしたことから,島根,鳥取,香川及び高知と,広域的な国際観光テーマ地区というものを構成しておりまして,海外での観光宣伝等を行いますとともに,外国人観光客受け入れセミナーの開催,外国のマスコミや旅行業者の招聘などの事業に取り組んでいるところであります。
 また,今月末のユニバーサル・スタジオ・ジャパンのオープンに当たりましては,大阪府との観光交流促進協定を踏まえまして,関西圏との広域的な周遊も視野に入れた外国人観光客誘致に取り組むなど,今後とも,常に新しい戦略を持ちながら国際観光の振興に努めてまいりたいと存じます。
 マレーシア周辺国への対応でございますが,マレーシア航路が開設をされました後におきましては,マレーシアはもとより,東南アジア諸国との相互交流が今まで以上に活発に進むことが期待できるところでございまして,外国語版のホームページによります観光情報発信の充実に取り組んでまいりたいと考えております。また,これらの国々で事業展開をされておられます県内企業の方々の活動とか,あるいは教育,文化面での交流などのさまざまな機会を通じまして本県の観光の魅力というものをPRをしてまいりたいと存じます。
 次に,岡南飛行場でございます。
 利用促進についてでございますが,岡南飛行場は,全国でも数少ない小型航空機の拠点飛行場として整備を進めているものでありまして,来年度は新たなエプロンなども供用されることから,今後,岡南飛行場の利用促進を図るために,航空関係者はもちろんのこと,地元などの関係する方々からの御意見も参考にしながら,多くの方々に利用しやすい飛行場の運営方法というものを検討してまいりたいと存じます。
 最後に,社会貢献活動の支援に関する条例案でございます。
 この条例制定の意義についてでありますが,特定非営利活動促進法と同法施行条例等は,特定非営利活動を行う団体に対しまして法人格を付与することを目的といたしまして,その手続等を定めようとするものでございます。一方,今回提案いたしております社会貢献活動の支援に関する条例案は,社会貢献活動の支援についての基本理念を定めますとともに,行政,県民等の責務とか,あるいは役割というものを明らかにすること等によりまして,その活動の健全な発展を促進し,そしてすべての県民がその活動に参加する県民総参加型のボランティア社会の実現を図っていくことに意義があると,こういった観点から新たに制定をしようとするものでございます。
 そこで,この条例が「社会貢献活動」と銘打った理由についてでございますが,この条例案におきましては,「岡山県ボランティア・NPO活動の促進に関する基本指針」の趣旨を生かしまして,幅広い活動を支援することといたしております。「社会貢献活動」という言葉でございますが,条例上の規定は,「特定非営利活動,ボランティア活動その他の営利を目的とせず,不特定かつ多数のものの利益のために行う活動」というように規定をしておりまして,幅広い活動を包括するものということで定義をしているところでございます。したがいまして,この条例上の定義自体が活動の範囲を狭めたり,あるいは活動の価値的な評価というものを行うことは想定していないと,こういうことをぜひ御理解を賜りたいと存じます。
 新しい補助金制度の導入についてでございますが,お話にございました三重県のNPO法人への補助金につきましては,県政推進のための生活創造圏ビジョンに合致をした住民の皆さん方の自主的,主体的な取り組みに対しまして,県として補助金を交付しようとするものでございまして,その仕組みといたしまして,財源の捻出から執行までを住民が入った組織が直接関与できる,そういうユニークなものであるとお聞きをしております。
 本県では,「岡山県ボランティア・NPO活動の促進に関する基本指針」に基づきまして,県は間接的,側面的な支援を行うこととしているところでございまして,今回提案いたしております特定非営利活動法人に係る県税の特例に関する条例などによりまして側面的に支援をしてまいりたいと考えております。
 なお,今後,これからの岡山県づくりのために県民参加でつくり上げてまいります「新世紀おかやま夢づくりプラン」の推進策の中にありまして,NPOにも一定の役割を果たしていただくことを私といたしましては期待をしているわけでございまして,その目的の実現との関係の中にありまして,NPOに対する支援策もあわせ検討してまいりたいと考えております。
 私からの答弁は以上でございます。


(生活環境部長)  お答えいたします。
 ドメスチック・バイオレンスに関しての男性への啓発についてでありますが,DVは,基本的人権を踏みにじり,男女共同参画社会の実現を阻害する行為であります。このため,県としましては,このたび策定した「おかやまウィズプラン21」に基づき,DVへの県民の理解と認識を深めるため,各種の講座や研修会等を通じ,すべての男性自身が暴力を容認しないという価値観を持つよう,徹底した啓発活動に努めてまいりたいと存じます。
 また,男性へのカウンセリングにつきましては,ウィズセンターでの相談を初め,必要によっては専門家の適切な治療が受けられるよう,医療機関等との連携を図ってまいりたいと存じます。
 以上でございます。


(保健福祉部長)  お答えいたします。
 まず,ドメスチック・バイオレンスに関連いたしまして,被害女性に対する支援の現状等についてのお尋ねでございますが,女性相談所におきましては,一時保護所の入所者に対して職員と婦人相談員で面接を行いまして,自立のために必要な住居,就業等について助言を行っているところでございます。また,公営住宅につきましては,現行制度上優先入居できないことになっていることから,出身世帯家族との連絡調整ですとか,あるいは母子生活支援施設との連携によりまして住宅の確保を図っているところでございます。
 次に,女性相談所の体制整備についてでございますが,本年度,一時保護のための部屋を1室増設したところであり,今後は,ドメスチック・バイオレンスによる被害女性の動向を見ながら,相談指導体制のあり方について検討してまいりたいと考えております。
 次に,長期にわたるフォローについてでございますが,被害女性の安全の確保を図るため,女性相談所や母子生活支援施設では秘密の保持に関して十分配慮しており,これらの相談機関等から女性の新居や職場が加害者に知られることはないと確信しているところでございます。
 また,加害者からの追跡を逃れるため女性が遠隔地への避難を希望する場合には,他県の女性相談所と連携して対応しているところでございます。
 次に,児童虐待との関係でございますが,女性に対して暴力を振るう男性は,子供に対しても暴力を振るうケースが見受けられるということでございます。そこで,女性相談所と児童相談所が緊密な連携をとりながら,児童相談所への一時保護ですとか乳児院への一時保護の委託など,児童の安全を最優先に考えて対処しているところでございます。
 次に,「新たな岡山県看護職員需給見通し」に関連いたしまして幾つかお尋ねをいただいております。
 まず,院内保育所の設置補助についてでございますが,子育て家庭の支援等を目的として設立された財団法人こども未来財団などによりまして,建物の整備や保育遊具等の購入に要する経費の助成がなされているところでございます。県といたしましては,機会あるごとに事業者に対し,こうした助成制度の活用を働きかけているところでございます。
 次に,24時間保育についてでございますが,今年度,運営費を補助する院内保育所は県下に32カ所ございまして,そのうち24時間保育を実施しているのは12施設でございます。県では,これらの施設に対しまして,通常の運営費補助に加え,24時間保育の実施日数に応じて加算を行っているところでございます。
 次に,職場環境の整備についてでございます。県では,看護職員の働きやすいナースステーションの整備など,職場環境改善のための助成や看護婦宿舎の個室化などに対する助成を行っているところでございます。また,今後ともさまざまな機会をとらえて,病院管理者に対しても職場環境の整備を働きかけてまいりたいと考えております。
 次に,職場復帰のための研修についてでございますが,県では,岡山県看護協会を県のナースセンターとして指定いたしまして,看護職員への就業相談ですとか,あるいは長期間にわたって看護の現場から離れていた方々が自信を持って職場復帰できるよう,最新の知識や技術を習得できる研修を実施しているところでございます。今後とも,一層研修効果が上がるよう研修内容の見直しを行うとともに,研修機材等の充実に努めてまいりたいと考えております。
 次に,福祉施設等の看護職員研修についてでございますが,御指摘のように看護職員の就業の場は福祉施設等にも拡大してきておりまして,求められる知識,技術も多様化しているところでございます。このため,平成13年度から新たに社会福祉施設等の看護職員を対象として,例えば痴呆を持つ入所者の看護ですとか,あるいは施設内で起こりやすい風邪や皮膚病などの予防,こういったことに関しまして研修を実施することとしているところでございます。
 最後に,就業調査等についてのお尋ねでございますが,県のナースセンターを通じて再就職した看護職員に対しましては,就業3カ月後に就業状況の把握を行うとともに,その時点で離職している方々に対しましては,さらに再就職のあっせんを行っているところでございます。
 また,未就業の看護職員につきましては,県内の病院を対象に毎年離職者調査を行って状況把握に努めているところでございますが,今後はこれに加えまして,医師会,病院協会などの関係団体を通じてナースセンターのPRをさらに行うといったことによりまして,未就業の看護職員の掘り起こしに努めてまいりたいと考えております。
 以上でございます。


(土木部長)  お答え申し上げます。
 岡南飛行場の供用開始についてのお尋ねでございますが,岡南飛行場では,現在,エプロンの拡張や誘導路の増設及び航空灯火の整備などを進めており,それらの工事も最終段階を迎えております。平成13年度は,航空法上の検査を受け,その後の諸手続を経て,平成13年8月から9月にかけての供用開始ができるよう国との協議を重ねているところでございます。
 次に,ポートセールスについてでございますが,整備の面では,駐機スペースの拡充はもちろんのこと,格納庫用地も個人向けから企業向けまでさまざまなニーズに対応することにしております。また,サービス面では,類似飛行場にはない施設として,共同スペースを設け機体の清掃や始業点検に利用していただくことにしております。今後,これらの特徴を生かしたポートセールスを展開していきたいと考えております。
 次に,航空交通の安全についてでございますが,現在,岡南飛行場では対空通信や気象などの航空機の安全な運航に欠かせない情報を提供しているところでございます。また,航空機が離着陸する際にも所定の経路の遵守を促し,安全性の向上に努めているところでございます。しかしながら,所定の経路を逸脱した飛行が行われることもあるため,より確認しやすい目標物を定めることや不規則飛行を行う者に対して効果的な指導方法の検討を行っているところでございます。
 最後に,岡山空港への小型航空機の夜間駐機の受け入れについてでございますが,新空港を開港する際に,定期航空の安全確保の観点から岡南飛行場を小型機専用飛行場として存続させ,岡山空港との機能分担を図ることとしたものであります。したがって,岡山空港への小型航空機の夜間駐機につきましては,緊急かつやむを得ない場合に限って受け入れているものでありまして,御理解を賜りたいと思います。
 以上でございます。


(教育長)  お答えいたします。
 留学生の教育現場での活用についてでございますが,現在,幾つかの小学校や高等学校の総合的な学習の時間などで外国の文化,生活について学ぶ際に,非常勤講師としてお願いしております。また,留学生をボランティアティーチャーとして招きまして,外国の料理をつくったり,民族衣装を身につけるなど,その国の文化を学び,国際理解を深めている学校も30校程度ございます。
 このような留学生を交えた学習は,子供たちにとって有意義でございますが,多くても1校当たり年間10時間程度の対応しかできず,恒常的,継続的な活用は難しいところでございます。御理解いただきたいと存じます。
 次に,ドメスチック・バイオレンスにつきまして,教育面での対応についてのお尋ねでございますが,学校教育におきましては,人権尊重の精神を育成することを基本に据え,実体験が不足しがちな現在の子供に,動物の飼育等生き物との触れ合いや,高齢者施設や保育所等の訪問などの体験活動を通して,生命を尊重し他人を思いやる心など心の教育の充実を図っております。
 その中で,暴力に関しましては,子供の心により強く訴えられるよう道徳用のテレビ番組などを活用いたしまして,人の痛みを実感し,暴力を否定する気持ちを培っております。
 なお,マスコミに対する規制につきましては,番組の大部分は中央で制作されておりまして,県教育委員会といたしましては対応が難しく,現在,関係部局と連携を図りながら,国に対して業界の自粛,自制についての指導を強化するよう要望しているところでございます。
 以上でございます。


(警察本部長)  佐藤議員の御質問にお答えをいたします。
 県警察におきましては,犯罪の被害者等で保護を希望される場合には積極的に隔離保護をしてまいりたいと考えておりまして,その場合には,同様の活動を行っておられる女性相談所とも十分な連携を図って,適切に対応してまいる所存でございます。
 また,女性相談所で犯罪の被害者等を保護された場合,本人がカウンセリングを希望される場合には,連携をとりながらこのアドバイザー制度の活用についても協力してまいりたいと考えております。
 さらに,この制度により保護した女性の自立,社会復帰のための支援につきましては,関係機関と連携しながら,警察として可能な範囲で対応してまいりたいと考えているところでございます。
 以上でございます。

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