平成12年9月定例会 一般質問 自由民主党 佐藤真治

1 おかやま後楽園300年祭について         (土木)[ 知 事 ]
2 自転車と自転車道について
 (1)自転車道の整備
   ア 歩行者道、自動車道との 共存        (土木)[ 土木部長 ]
   イ 既存の緑道公園等の活用           (土木)[ 土木部長 ]
   ウ 福祉のまちづくり条例における位置づけ
                       保福協力(土木)[ 土木部長 ]
 (2)自転車の取締等                (警察)[ 警察本部 ]
 (3)吉備路自転車道
   ア 知事の思い                 (土木)[ 知 事 ]
   イ 起点の周知等                (土木)[ 土木部 ]
   ウ カラー舗装化等               (土木)[ 土木部 ]
   エ イベント                  (商労)[商工労働部]
3 福祉機器関連産業の振興について          (商労)[商工労働部長]
4 有害鳥獣について
 (1)状況                     (生環)[生活環境部長]
 (2)防御策と中国地方全体での対策     農水協力(生環)[ 知 事  ]
 (3)カラス対策                  (生環)[生活環境部長]
5 NPO活動の促進について             (生環)[ 知 事 ]
6 落書き追放について            警察協力(生環)[ 知 事 ]




(佐藤)  自由民主党の佐藤真治です。お昼休みの後は若者らしく元気にやらさせていただきます。それでは,早速通告に従いまして質問をさせていただきます。
 まず,私ごとで恐縮ですが,この夏,世界青少年交流協会の役員として,スカンジナビア派遣団の一員として北欧3国を回ってきました。ホームステイもしながら,バスと船で旅をする中で,幾つか感じたことなどを織りまぜながら質問させていただきます。
 デンマークのコペンハーゲンでは,本場のチボリ公園を訪ねました。そこで考えたのは,本場のチボリ公園に近いのは,倉敷チボリ公園よりもむしろ後楽園ではないかということです。本場のチボリ公園を訪ねて,後楽園のすばらしさを再認識したのです。老若男女を問わず,訪れるすべての人々に心からの安らぎと潤いを与える場として,思い出の場として後楽園はあり続けました。世界名園シンポジウムも予定されているようですが,我が後楽園は築庭300年,世界にも通用します。築庭300年記念事業の数々が,後楽園のすばらしさを再認識させてくれたのです。後楽園で,芸術鑑賞からラジオ体操までできてしまう可能性を示してくださいました。夜の後楽園の美しさを世間に知らしめました。行きさえすれば,後楽園はやっぱり岡山県民の誇りなんだ,だれもがそう感じたはずです。
 限られた予算の中で,知恵を出し,汗をかき,しかもあくまで後楽園の品位を保ちつつ見事なイベントを続けられ,ことごとく成功させ,岡山県民に「これが岡山の文化なんだ」と自信と誇りを取り戻させてくださった岡山後楽園300年祭実行委員会を初め関係御各位の御努力に,本当に頭が下がる思いです。岡山県民の一人として,本当に本当にありがとうございますと心から拍手を送らせていただきたい,お礼を申し上げたい。そして,1つだけわがままを言わせていただけるなら,どうか,どうか,どうか,来年もこれを続けてください。
 今,我々岡山県民自身が,後楽園のおもしろさに改めてやっと気づいたところです。少なくとも,平成17年,岡山国体の年にもう一度観光キャンペーンを展開するのなら,ここで切ってはいけないと思います。300年目だけではなく,301年目も後楽園はあるのです。おもてなしを言われるのなら,大阪との連携を言われるのなら,天下の名園後楽園では,ことしぐらいいつも何かやっている,夜にはジャズやミニオーケストラが聞ける,それが普通だと県民が感じられるようにしていただきたいのです。毎年,石井正弘知事には新作狂言で仏様になっていただき,岡山県政の明るい未来を指し示していただきたいのです。
 そこで,知事に質問いたします。
 築庭300年記念の年もあと4分の1,ここまでどういう御感想をお持ちでしょうか。
 これまで県民みんなが楽しめる多彩な行事を実施されてきましたおかやま後楽園300年祭実行委員会は本年をもって解散すると聞いておりますが,300年の年の象徴として何が残るのでしょうか。
 また,今回,岡山青年会議所を初め,多くの県民から後楽園に対する提言や応援があったでしょうが,例えば,私は,通年でなくとも,せめて夏場だけでも午後9時までは開園することとしたらと思いますが,これらの提言を踏まえて,ポスト300年に何を予定されているのでしょうか。
 関係御各位におかれましては,もう一息頑張っていただき,来年もどうかよろしくお願い申し上げます。
 次に,自転車と自転車道についてお伺いします。
 デンマークを初め北欧3国では,どこでも自転車が大変目につきました。特に北欧の夏は,ともかく家の中にじっとしているのがもったいないほど快適で,例えば,デンマークは,最高でも海抜600メートルにも満たないほど平坦な国ですから,自転車は最高の交通手段です。また,自転車と歩道,車道は明確に区分されており,町中も極めて走りやすく,しかも自転車も簡単に電車に乗せられるなど,完全に市民権を得ていました。もっとも,コペンハーゲン駅前は,御多分に漏れず放置自転車も多くありました。我が岡山県も,雨の日が少ない晴れの国で,しかも比較的平坦な地形であり,自転車は気軽な交通手段として愛されています。とりわけ岡山市は,日本の北京と言われるぐらい自転車の多い町です。そもそも自転車は,都市部においては,5キロメートル以内なら電車やバス,自動車よりも早く目的地に到着するという交通観測データもあり,健康的経済的かつ地球温暖化,交通渋滞の防止策にもなるとよいことづくめです。
 例えば,フランスの首都パリでは,97年から5年間で,市郊外も含めると長さ1,500キロメートルに及ぶ自転車専用道路網の整備を計画し,市街地では,従来の幹線道に走行帯をつくり,約100キロメートルの自転車道のネットをつくりました。また,昨年5月,建設省も,自動車中心の都市交通の現状を見直し,自動車や歩行者から分離された自転車道路網を全国の主要都市に整備する方向を打ち出しています。しかしながら,世界的に,自転車道の整備がおくれている日本の中でも,我が岡山県は,いわゆるサイクリングロードを含めた自転車道の整備が大変おくれています。今後,例えば商店街の活性化等まちづくりの一環としても,自転車や自転車道の活用が見直されてくると思います。生活道,通勤・通学道として,自転車道の整備はますます重要になってくると思います。
 そこで,土木部長にお伺いいたします。
 今後,自転車の安全性,快適性,走行性の確保のため,幹線路線の歩行者道,自動車道との共存はどのように進められていくのでしょうか。とりわけ,既存の緑道公園や河川堤防の活用などにより,分離型の走行空間を確保することが考えられますが,いかがでしょうか。
 また,歩道の段差解消など,岡山県福祉のまちづくり条例のハード面の整備の中で,自転車はどのように扱われていくのでしょうか。
 さらに,自転車道整備と同時に,交通ルール・マナーの教育などの社会環境整備も極めて重要だと思います。昨今,自転車が,道路交通法上では車になるのだという認識が余りに不足していると思います。少なくとも,2人乗り,雨天の傘差し運転,夜間の無灯火運転は,すべて事故につながる違反行為です。自転車に対する指導取り締まりはどのように取り組んでおられるのでしょうか,警察本部長にお伺いします。あわせて,昨今の中古自転車安売り店の独自の防犯ステッカーの有用性についてもお伺いいたします。
 この項最後に,吉備路自転車道についてお伺いいたします。吉備路自転車道は,豊かな自然に触れ合いながらサイクリングを楽しむだけでなく,吉備文化の歴史探訪をも行う目的で,昭和48年から54年にかけて整備された,岡山市伊島町から総社市中央町まで,岡山市,倉敷市,山手村,総社市の3市1村を結ぶ全長20.6キロメートルの自転車道で,正式名称は,一般県道岡山総社自転車道線です。昭和61年の道の日を記念し,日本の特色あるすぐれた道路を顕彰した日本の道100選にも選ばれており,いにしえの吉備文化をほうふつさせる古墳や文化施設を,田んぼの中をうねりながら結ぶ,なかなか味のある道だと思います。後楽園同様,吉備路自転車道は岡山県が誇るべき資産です。
 そこで,幾つかお尋ねいたします。
 まず,吉備路自転車道について,石井知事の思い入れがございましたらお知らせください。
 実は,吉備路自転車道のスタートいわゆる起点が,岡山県総合グラウンドの通称いずみ町の交番の向かいであるということを,私も36歳になって今回初めて知りました。起点は変えられないにしても,観光客のために,せめてJR岡山駅西口から吉備路自転車道へのはっきりした動線の標示や看板により誘導することはできないでしょうか。とりわけ平成17年秋の国体の主会場付近が起点なのですから,現在のいずみ町交番横に駐輪場や案内所が設けられないでしょうか,土木部長にお伺いいたします。
 また,総合グラウンドから吉備津彦神社までの比較的地味な区間は,自転車道であることすらわかりにくいものがあります。この区間はもとより,全行程を多少カラー舗装するなりではっきりさせることは考えられないでしょうか。また,沿線の公共施設や民間施設を通じ,利用者へパンフレットを配布すること等により,一層の利用促進が図られると考えられますが,いかがでしょうか,あわせて土木部長にお伺いいたします。
 また,史跡をめぐりながらのスタンプラリーなど,観光面でのイベントはできないでしょうか,商工労働部長にお伺いいたします。
 次に,福祉機器関連産業の振興について,商工労働部長にお伺いいたします。
 我が国の高齢化は,他国に類を見ない速さで進んでおり,厚生省人口問題研究所の推計によりますと,2015年には65歳の以上の方が全人口の25%を超え,4人に1人が高齢者になると言われています。このような高齢社会においては,高齢者や障害者の方が自立的に能力を発揮できるバリアフリーの実現や,生活のあらゆる面でこれらの人々をサポートする機器の開発が重要であると思います。
 例えば,福祉先進国のデンマークでは,惜しげもなくかなり高価な福祉機器が給付されているのを見て大変驚きましたが,そうする結果として,少しでも自立していただくことができれば,御本人にも御家族にも,何よりも医療にかかる費用面でもいいことなんだという考えが背景にありました。加えて,私は,一つの産業としてこのような福祉機器関連産業の成長が望まれると思います。平成9年に策定された岡山県産業活性化ビジョンにおいても,福祉機器関連を含めた医療福祉関連産業が今後成長が期待される分野とされ,本県の産業振興の重点分野に位置づけられています。県内には,岡山大学や川崎医大など,医療福祉関係の大学を初め,人工関節や車いす,入浴装置,介護用ベッド等の福祉機器関連の多様な企業集積があります。このような集積を生かし,これらの大学や企業との連携,技術移転等を促進する事によって,本県の福祉機器関連産業は今後大きく成長するのではないかと考えますが,これらに関する県の取り組みの状況についてお伺いします。
 また,これに関連して,来年岡山県で開催される予定の第16回リハ工学カンファレンスについて要望させていただきます。先日,徳島市において日本リハビリテーション工学協会主催による第15回リハ工学カンファレンスが開催されました。学会関係者を初め,医療福祉関係者や機器メーカーの社員,障害者など,全国からおよそ800人の方が参加され,研究成果の発表や機器の展示,商談会などが繰り広げられ,大盛況でした。実は,このカンファレンスが,来年岡山県で開催されることが決まりました。この会は,福祉機器に関する貴重な研究交流の場であるとともに,ビジネスチャンスを広げる絶好の機会です。本県の福祉機器産業の振興にも大いに役立つものと期待は高まりますが,関係企業や関係者への呼びかけなど,会の成功に向けて御支援いただくようお願い申し上げます。
 次に,9月7日,広島県の東城町でツキノワグマがイノシシの駆除用のくくりわなにかかって衰弱しているところを発見されるという事件がありました。イノシシによる農作物への被害を防がなくてはいけないという現実が,結果として今や保護すべきツキノワグマさんに御迷惑をおかけすることになった,これは悲劇だと思います。私は岡山駅前に住んでいるので,余りクマやイノシシに出会う機会はありませんが,都市型の有害鳥獣としてのカラスと共生して暮らすのは非常に難しいものがあります。
 有害鳥獣,この問題は,国土政策,農林業政策,野生鳥獣と人間の共生のあり方等,かなり根が深いと思います。県内における有害鳥獣による農作物の被害は,平成11年度で5億円を超え,イノシシやシカや猿の被害も捕獲数も年々増加傾向にあります。原因としては,開発による自然環境破壊によってえさが不足したというよりも,中山間地域等での放棄農地がふえてえさの供給量が増し,狩猟者が減少,高齢化し,また養殖用のイノブタが野生化して,繁殖力がむしろ増大したといったことで,有害鳥獣の絶対数そのものがふえて,いわばのさばっているのだという説がありますが,どういった状況なのでしょうか,生活環境部長にお尋ねします。
 また,話してわかる相手ではないだけに,被害に遭われた農林家は,「またやられた」と,とことん生産意欲が減退すると思われますが,どういった防御策,善後策の支援がなされているのでしょうか。
 さらに,鳥や獣に県境はなく,岡山県独自の対応には限界があると思います。ここは,中国地方の中山間地域全体の総合的な対策が必要だと思いますが,あわせて知事のお考えをお知らせください。
 加えて,都市型の有害鳥獣カラスは,どの町でも深刻というより不愉快な被害を起こしていますが,有効な対策はないでしょうか,生活環境部長にお尋ねします。
 次に,NPO活動の促進について改めて伺います。
 特定非営利活動促進法の施行から2年以内に,税制を含めたNPO法人に対する政策対応のあり方について検討し結論を得るという附帯決議の期限をことしの11月に控えて,6月21日に経済企画庁総合企画部会国民生活審議会は中間報告を発表しました。中間報告には,認証制から届け出制への移行,12分野への追加等の法制度に関する見直しと,税制上の優遇措置が,法の見直し対象として挙げられています。特に,NPO法人の財政基盤の強化として,税制上の優遇措置を設けることについて,国民の納税の義務を免除するものである以上,公益性を有するものに限り,また公益性の判断基準,担保の仕組みを備えることを条件に,積極的な方向を打ち出しています。
 また,8月8日は,大蔵省も,国税庁が公益性が高いと判断しNPOに個人が寄附した場合に,課税所得からの控除を認める,また法人の場合も損金算入を認めるといった方向で検討に入りました。議員立法による新制度の創設に向けて,いよいよ追い込みに入ったと言えると思います。座長は,我が県選出の熊代代議士であり,まさに,岡山からも援護射撃,盛り上げが必要であると考えます。
 国の優遇税制については,知事,県議会ともども,国に対し早期に実現するよう要望してきたところでありますが,この際,改めて国に対する強力な働きかけをお願いしておきたいと思います。
 こうした国の動きの一方で,本県では,去る14日,岡山県ボランティア・NPO活動促進委員会から,岡山県ボランティア・NPO活動の促進のための提言が提出されました。この提言においては,県に対し,かなり具体的な支援策を求めていますが,今後,県として,この提言の具体化に向けどのように取り組んでいくのか,知事にお伺いいたします。
 最後に,公共物や私物に堂々と行われている町中の落書きについてお伺いします。
 実は,これはデンマークなど北欧諸国でも見られ,何も日本だけの現象でもないようですが,昨今,本当に目に余るものがあります。特に,都心部での被害は甚大で,朝起きて,「きょうもシャッターに何も書かれてなくてよかったねえ」と,ほっとするようなありさまです。落書きは,犯人が検挙されても,もとどおりに原状回復するのが困難です。民事訴訟の話として,不法行為に起因する損害賠償を請求していくことが本筋ではありますが,これがなかなか難しく,かといって条例で損害賠償を上乗せで規定していくのにも無理があると思われます。
 そこで,知事にお尋ねします。
 青少年の健全育成の観点からも,こういった落書きを町中から追放する落書き行為追放キャンペーンを展開していくことはできないでしょうか。落書き行為を見かけたら即通報する,落書き行為は社会に対する犯罪であることを,地域や学校ぐるみで啓発していく,願わくば,各市町村が落書き行為追放都市宣言をしていく,そういった運動が展開できないでしょうか。
 私の質問は以上でございます。どうかよろしくお願い申し上げます。ありがとうございました。


(知事)  自民党の佐藤議員の質問にお答え申し上げます。
 おかやま後楽園300年祭につきまして,ただいま実行委員会の諸君が,1年間さまざまな行事で大変一生懸命やってるわけでございますが,激励のお言葉をちょうだいいたしまして,私からも,議員に対しまして厚く御礼申し上げる次第でございます。
 さて,この300年祭でございますが,1月から8月までの入園者数は,前年比較との数字で1.6倍というふうになっております。特に,夜間の開園でございますが,7万7,000人もの多くの方々が来園をいただきまして,まさに後楽園の新たな魅力というものを発見をしてもらうなど,この300年祭は,県民の皆様はもとよりでございます県外の方々にも深い感動を与えたものと,このように私は考えております。
 300年祭によって残るものは何であるかというお尋ねでございますが,私も,さまざまな行事に出席をしたわけでございますが,若者からそして高齢者に至るまで,幅広い方々に御参加をいただいたところでございます。後楽園が持っておりますすばらしさ,そして伝統,こういったものが心に深く刻み込まれたものと,このように私は確信をいたしております。
 また,「庭園のこころ,新世紀へ」と,これがメーンテーマとなっておりますけれども,まさに後楽園の魅力というものを21世紀へ継承できると,このように考えているところでございます。
 来年以降の継続行事でありますが,これまでの年中行事に加えまして,御指摘をいただきましたような,好評をいただいた夏の夜間開園を含めまして,今回の300年祭で新たに行った四季折々の行事の中から,御支援をいただきました各種の団体とかあるいは実行委員会の御意見を踏まえまして,現在,継続可能なものというものを検討しているとこでございますが,その際,夏の夜間開園,こういったものは前向きに検討できればと,私はそのように願っているところでございます。
 次に,自転車と自転車道でありますけれども,吉備路自転車道についての思いというお尋ねでございます。
 自転車道の沿線を見ておりますと,国宝の吉備津神社がございますし,また全国4番目の規模でございます造山古墳もございます。また聖武天皇が発願されまして創建された備中国分寺,こういったものなど往時の吉備文化をしのばせる豊かな文化遺産が数多く残されている自転車道であると,このように思います。吉備路自転車道は,そういった意味におきまして,自転車道としての利用のみならず,マラソンのコースとしてもすばらしい,また歴史の探訪とかあるいは語らいの道と,こういったように幅広く利用していただけるということで,県民はもとより多くの県外の方々にとっても岡山のすばらしさを発信できる,そういう岡山らしい自転車道であると私は認識をいたしております。
 次に,有害鳥獣でございますが,これの防御策等については,県では,県下155の有害鳥獣駆除班に対する活動助成を行うとか,あるいは捕獲奨励補助を行うとか,また防護さくや捕獲さくの設置に対して助成をする等々,市町村と協力をして実施をしております。
 また,有害鳥獣によります被害というものは,中国地方各県でも近年増大をしておりまして,広域的な被害防止への取り組みというものも必要であると,私はこのように考えまして,本年度の中国地方知事会において,私の方から,実態に即した防護さく,あるいは捕獲さくの設置補助制度の充実の問題とかあるいは国における中山間地域対策の一環としての総合的な野生鳥獣被害対策の推進につきましての提案を申し上げ,関係の知事の了解をいただきまして,関係省庁に要望したところでございます。
 御指摘のとおり,この有害鳥獣につきましては,県境がないという意味におきまして,これからも中国地方各県と,そして県下の市町村とも十分に連携を図って,被害防止対策というものを積極的に講じていかなければならないと,このように考えているところでございます。
 次に,NPO活動の促進についてのお尋ねをいただきました。
 岡山県ボランティア・NPO活動促進委員会の提言がございましたが,これを最大限尊重いたしまして,県としての基本指針を近々策定をいたしたいと思ってます。あわせまして,ボランティア・NPO活動支援条例の制定につきましても検討してまいりたいと存じます。
 また,提言でも取り上げられておりますけれども,青少年やあるいは高齢者のボランティア・NPO活動への積極的な参加促進の問題であるとか,あるいは岡山情報ハイウェイを活用いたしました情報提供システムの構築,こういった問題につきまして早急に取り組んでまいりたいと思います。また,ボランティア・NPO活動支援センターの設置問題につきましても,検討を進めてまいりたいと存じます。
 さらに,県税に係る優遇措置でございますけれども,これにつきましては,地方税を考える研究会でただいま研究を重ねております。その研究結果等を参考にしながら,これも具体化ができるように検討してまいりたいと存じます。
 落書きの追放についてのお尋ねをいただきましたが,御指摘がございましたような落書きの行為,これはもういたずらでは済まされません。犯罪でございまして,調べてみますと,ことしになって17名の少年が検挙されております。このような行為の追放キャンペーンということの展開,この問題は,青少年の健全育成の問題のみならず,町全体のイメージアップのためにも非常にこれは大切な問題であると,私は,議員御指摘のとおり同感でございます。
 今後この問題につきまして,青少年育成県民会議がございますが,ここと連携をして啓発活動を行うとか,あるいは御案内のとおり青少年問題を考え,行動する100人委員会を立ち上げておりますけれども,そこの取り組みの中で,こういったキャンペーンの実施について検討してまいりたいと思います。
 そして最後に,各市町村が落書き行為追放都市宣言をしていくことについてはどうかというお尋ねがございました。住民が監視をしていただくことを喚起する意味からも,また犯罪防止の観点からも,これは大変大きな啓発効果が期待できると,このように思います。市町村が自主的にこういった取り組みを展開をしていただけるように,私自身からも喚起をしてまいりたいというふうに思っております。
 以上でございます。


(生活環境部長)  お答えいたします。
 有害鳥獣の状況についてでありますが,有害鳥獣の具体的な絶対数の動向を把握することは非常に困難でありますが,御指摘のイノシシなどにつきましては,ここ数年捕獲数がふえる一方,急速に被害が拡大しておりますこと,また,猟友会などの情報から推測しますと,お話のような生息環境のさまざまな変化によりまして分布域が拡大するとともに,やはり個体数が増加している状況にあると考えております。
 次に,カラス対策についてでございますが,都市部のカラスは多量に出されます生ごみなどをえさにして増加しまして,収集場所でのごみの散乱や早朝からのうるさい鳴き声などの被害が指摘されております。県としましては,有害駆除などによりまして,平成11年度約6,700羽のカラスを捕獲処分しておりますが,引き続きその駆除に努めるとともに,市町村を通じまして生ごみの減量や収集場所の十分な管理など,地域ぐるみでの被害防止対策を呼びかけているところであります。
 以上でございます。


(商工労働部長)  お答えいたします。
 吉備路自転車道を生かしましたイベントの開催についてでありますが,これまでも,数次の観光キャンペーンなどにおきまして,吉備路自転車道を利用した史跡をめぐる周遊コースの設定とかウオーキング企画を実施してきたところでございます。今後とも,地元市町村等とも連携をしながら,全国に誇り得る歴史的遺産を活用した観光イベントを検討してまいりたいと考えております。
 次に,福祉機器関連産業の振興についてでありますが,工業技術センターにおきましては,歩行障害者用リハビリ機器等の試作開発とかあるいは実用化を促進する観点から,地域企業と共同で介護用ベッドなどの開発を行っているとこであります。また,岡山県新技術振興財団におきましても,産・学・官連携によります岡山県福祉機器研究会を設置いたしまして,県内の福祉機器関連企業や大学の研究者との交流あるいは情報交換,そういったものの支援を行ってるとこであります。
 今後とも,国の補助事業等を活用しながら,大学等の研究機関や多様な企業の集積など,本県の持ちますすぐれた産業資源を生かしまして,福祉機器関連産業の振興を図ってまいりたいと考えております。
 以上でございます。


(土木部長)  お答え申し上げます。
 自転車道の整備についてでございますが,自転車は,都市部における手軽な交通手段として利用されておりますが,その安全性,快適性,走行性を確保するためには,自転車専用道等の整備が望ましいものと考えております。
 しかし,新たな自転車専用道等の整備のためには課題も多く,現実的な対応としては既存の道路空間での共存が必要であります。その共存方法としましては,まちづくりや都市部における交通手段のあり方を議論する中で,個々の道路の利用形態等を考慮しながら,関係機関や利用者の皆様方と協議しながら進めていく必要があると考えております。
 次に,既存の緑道公園や河川堤防を活用しての自転車道整備についてでございますが,緑道公園等は土地利用が進んでいる都市部において貴重な公共空間であります。今後,車道や自転車道,歩行者道との共存方法を検討する中で,公園管理者や河川管理者と協議を行い,地域の実情,状況に応じたその活用方策について検討していきたいと考えております。
 次に,福祉のまちづくり条例における自転車の位置づけでございますが,条例は,高齢者や障害者等も含め,だれもが安心して暮らせるまちづくりを進めようとする目的で制定されたもので,特に自転車を取り上げた整備基準等はございません。
 なお,福祉のまちづくり条例の中で,幅広歩道の整備や既設歩道の段差等の解消を図ることとしており,結果として,自転車のスムーズな走行に資するものと考えております。
 次に,起点の周知等についてでございますが,御指摘のとおり,岡山西口より伊島町の自転車道起点までは自転車道の案内は不十分な状況にあることから,まず岡山駅西口に設置されております総合観光案内板に自転車道の表示を追加するよう岡山市に要請するとともに,駅から起点までの道路につきましては,標識の設置について検討していきたいと考えております。
 また,起点付近への駐輪場や案内所の設置につきましては,市街地中心部でもあることから,用地の確保等の問題があり,今後の課題とさせていただきたいと思います。
 次に,自転車道のカラー舗装化についてでございますが,一部には,既に施行してる区間もありますが,歴史ある吉備路において全線にわたりカラー舗装を行うことは,周辺の景観と調和しない場所も考えられることから,必要な箇所については周辺の状況等を踏まえ,地元市町村と協議の上,可能な区間については個々に検討していきたいと考えております。
 また,公共施設や民間を活用した自転車道のPRにつきましては,御提案のとおり,沿線市町村や民間の御協力を得ながら,パンフレットを配布するなど,一層積極的なPRに取り組んでいきたいと考えております。
 以上でございます。


(警察本部長)  お答えいたします。
 まず,自転車に対する取り締まり等についてでございますが,御指摘のとおり,自転車の2人乗りや傘差し運転等につきましては交通上の危険性が高く,これらの違反行為に対して警察が指導取り締まりを行いました状況については,昨年中がおよそ3,000件,本年8月末では約2,000件でございます。
 また,自転車利用マナーの向上を図るために,児童,学生等を対象とした自転車の安全な乗り方教室でありますとか,高齢者や女性などに対する交通安全講習会等も県下各地域できめ細かく開催しているところでございます。
 今後とも,こうした各種の安全指導や街頭での指導取り締まりを継続してまいりたいと考えているところでございます。
 次に,中古自転車安売り店の独自の防犯ステッカーの有用性についてというお尋ねでございますが,自転車防犯ステッカーにつきましては,いわゆる自転車法で,「自転車利用者は,その利用する自転車に防犯登録を受けなければならない」旨の規定がございます。これを受けて,国家公安委員会規則で防犯登録を行う者を指定することとなっておりまして,本県では,岡山県自転車・原付防犯登録会にこの登録業務を実施していただいているところでございます。
 御指摘のありました,いわゆる安売り店等で行っている独自の防犯ステッカーにつきましては,自転車が盗難などに遭った場合の照会に相当の時間を要しますことから,警察業務に支障を来しているのが実情であります。また,正規の法律に基づく手続にのっとったものでないことから,今後とも,関係業者に対し,自転車法に基づく防犯登録を行うよう指導してまいりたいと考えているところでございます。
 以上でございます。

Copyright (c) 2000 SHINJI SATO Inc. All rights reserved.satoshin.jp